オレは新ちゃんと坂田さんはゼッタイにつきあっていると思っている。 たとえつきあっていなくても、両思いであることは確かだ。 証拠はないけど女のカンならぬ、男のカンがそう言っているのだ。


「なに言ってんだよくんバカじゃないの」
新ちゃんは片方の眉をつん、とあげて、額には青筋が通っていた。 それを見ていた坂田さんはこらえることなく豪快にガハハと笑った。
え、オレそんな変なこと言ったかぁ?


「言った言った」
あーおかしー!目に涙をうっすらと浮かべながら坂田さんが言う。
そこまで笑うか?と思いつつなんか面白くなってきたのでオレもつられて笑う。 そんな坂田さんとは対象的に新ちゃんはむっすりしてる。あれ、怒っちゃった?


「えーなんで新ちゃん怒ってんの」
「別に怒ってない」
「怒ってないならこんなに青筋たたないよ」
「たってない」
「たってますよね、坂田さん」
「たってるぞ新八」
「ほらァ」
「ー…あーもう、怒ってるよ!そういえばいいんでしょ」


そういったきり新ちゃんは黙りこくってしまった。
そして、ジャンプの最新号に手をのばした。
こっちは怒らせるつもりでいったわけじゃなかったら、正直困る。


「そんな怒ることないじゃーん」
そういいながら新ちゃんに抱きつくと、新ちゃんはおおげさに驚いた。
こうね、典型的に手にもったジャンプをばさばさと落したわけですよ。むしろ こっちが驚くから。うん。
新ちゃんは「いきなりそういうことしないで!」と可愛らしくぷんぷんし、 オレに背中をむけてしまった。それをみて銀さんはまたガハハと笑う。 新ちゃんも銀さんくらい愉快になればいいのにね。




「じゃあ新ちゃんの好きな人って誰なのさ」
「教えない」
「…!教えないってことは居るんだ」
「……」
「だれだれ、神楽ちゃん?」
「違う」
「さっちゃん?」
「違う」
「お通ちゃん?」
「好きだけど違う」
「土方さん?」
「なんでそーゆう方向にいくかな…」
「だってこれ以上女の子思いつかなー……あ!お妙さん?」
「ばかじゃないの。兄弟だよ」
「えーじゃあもういないじゃん…」




「あぁ、もしかしてオレ?」


なーんて冗談!そう言おうと思って 振り向かせた新ちゃんの顔は、
もう、リンゴみたいに、ま っ か っ か
え、新ちゃん?
その反応はどーゆう……あれ、あれれれれ


「ついにバレちまったな新八。まぁ頑張れや」
今度は 本当に涙を流しながら銀さんが笑った。おなかを抱えている。 めちゃくちゃ面白いらしい。バシバシとソファーを叩いた。
「あーもう!」と新ちゃんはクッションに顔をうずめた。
え、え、え、新ちゃんがそのクッション使っちゃったらオレどうやって 顔が赤いの隠したらいいんだよ。


新ちゃん、期待しちゃってもよろしいですか?







APPLE BOYS!
20060702/可愛らしい2人の恋をみて銀さんは楽しんでるのです